ラグビー人気が急上昇中の日本だが、来年から世界中で行われるスーパーラグビーというリーグに日本代表が参戦する。世界中を舞台に行われるラグビーのリーグ戦で、日本は日本代表というチームとして参戦するらしい。そのリーグの会場にシンガポールで行われる可能性があるそうで(シンガポールはリーグに参戦していないのに)、それはシンガポールに居住している欧州系の白人を中心に彼らをファンにしていくのが狙いと聞いてとても興味がわいた。
似たような話をスポーツの世界にいるとよく聞く。日本でリーグが放映されファンを獲得するために、日本人選手に積極的にオファーをしたり、あまりに差がつきすぎると、ラグビーに魅力を感じてくれなくなって結果ラグビー界が衰退するから、ラグビーの代表が国籍を持っていなくてもよくしたり、とにかくファンを獲得してなるべくそのスポーツ自体を発展させていくために、局所的に不利を強いてしまうとしても全体の発展を優先させていく。
一時期日本の柔道がなぜメダルが取りにくくなったのかという議論があったけれども、本当のところは門外漢なので当然知りえないが、世界中で柔道が広がってきてライバルが増えているからという見方もできるのではないかと思う。むしろ日本人だけが勝ち続けてしまうような競技は世界中で広がりを持たず、またプロリーグ(柔道にあるのかどうか存じあげないが)の放映も多くの国に売ることができなくなる。もし多くの国からヒーローが生まれれば、世界に柔道が広がり、結果として柔道というスポーツを生んだ日本がよいポジションをとっていける。そういう考え方をすると、メダル数を減らしてはいるが、日本柔道としては勝っているということがあり得るのではないか。
スポーツ界にいて、この局所ではまけて、全体で勝つという戦略が日本は不足しがちだと感じる。言葉は強いかもしれないが、決められたゲームの中での勝利は強く目指すが、ゲーム自体の発展や勝利を考えることが少ないと感じる。日本選手が活躍してメジャーリーグも、ヨーロッパのサッカーも放映され始め、日本にファンが増えた。日本のスポーツの中で外国人ヒーローを増やせば、同じようなことが起こせるんじゃないか。
為末はまた適当なこと言いやがってと怒られるかもしれないが、例えば箱根駅伝に中国の体育大学やアメリカの大学生の連合チームに参戦してもらえないだろうか。国民性に合わなくて全く受けないかもしれないが。