時々snsを見ていて、特にツイッターになるが、まるでツイッターの中で起きている出来事は世の中に知れ渡っている、と思っている人を見かける。が、実際のところは僕はかなりsnsの世界は限定的な世界だろうと思う。
私はなぜか炎上癖(なんでそうなるのかが自分でわかっていないから性懲りもなく何度も炎上するのだが)がある。炎上はだいたい数日間で終わるのだが、当然その間も人前にでる仕事をしている。
地方に講演で呼んでもらうような仕事をしていると強く感じるのは案外と炎上が知られていない。つまりはネットの世界に触れていない人が多い。都市部でも気になって講演中アンケートをとったら、20%ぐらいの人しか認識していなかった。
都市部の私の同じような年齢の人間は、かなりの割合がsnsを使っていて、多かれ少なかれネットの情報に面している。周辺の人間との話題はネットで見かけた記事に関してのものが多く、さらに1日に何度もsnsから情報を得ていると、まるでそこに社会の全ての情報があるかのような感覚に陥る。ところが実際にはsnsの世界は(将来はわからないが)未だある属性の人々の間で広がっていて、そこに全くアクセスしていない人も結構いる。
国立競技場に関してのことを、facebookでつながっているチェコ人に聞いたら全く知らなかった。同じようにアメリカの私の元英語の先生も知らない。ところが日本語のfacebookだとまるでそれが毎日のように報道されている気分に陥る。
世界中とつながることができるというイメージがあるが、私はsnsは結局のところ井戸端会議の拡大版だと考えていて、90%以上は自分が属しているところや興味があるところの情報が回るだけだと思っている。そういうもんだとわかって使えばこんなに便利なツールはないが、snsの中に世界があると勘違いしてしまうと相当にバイアスがかかった世界の中を生きる羽目になってしまう。
昔ペルーに旅をした時に、ある村の子供達に自分がオリンピアンだということを自慢したら、オリンピック自体を知らず全く尊敬されなかった。なんだ俺も結局先進国という井戸の中で威張ってた蛙だったんだなと思うとなんとも滑稽に思えた時があった。