Thinking In The Past.

成功した後

2015.05.04

とある芸能人の記事を見て、一旦いいイメージが着くとそれを壊すまいと意識しすぎるがあまり次のチャレンジを躊躇するというのがあって、なるほどなあと思った。成功したアスリートのセカンドキャリアの問題にも近い。

成功した選手は引退した時バリューがあるから、例えばテレビやCMなどで収益を得る仕組みが作りやすい。CMなどに起用されるのはイメージがいいからで、収益を保つ上でイメージを維持することはとても重要になってくる。

難しいのは一度イメージが高止まりしてしまうと、次の一手を打つ時にもしそれが世間の期待にそぐわないものであった場合、イメージダウンしてしまう可能性があることだ。イメージを保つためにはなんらかの露出をし続けなければならない。ところが露出は、常に世間にがっかりされるリスクを孕む。だから自分のイメージを大事にしようとしすぎると仕事を選びすぎるというスパイラルに入る。

仕事量はそのまま経験値だから、選んでいる間にいつの間にか経験が不足し実力が置いていかれ始める。そうなるとさらに次の手を打つことが難しくなる。つまり常に成功しているように見せなければならないプレッシャーと、経験も積まなければならないことの板挟みになっている。これは芸能の世界も同じではないかと推測する。

最近では、snsが登場し、さらにフラットに世の中と絡まないとならなくなっている。そうなると隠しきれない部分も出てくるし、リスクもある。かといってsnsやネットをやらない選択をするとこれから拡大していくであろう領域での存在感を失う。この選択も難しい。

大事にし過ぎれば経験が不足し戦いが苦しくなる。一方で何でもかんでもチャレンジすれば、せっかく積み上げたイメージが失われる可能性がある。ふと振り返ってみるとオリンピックも期待されていない選手の方がいい成績を出したりする。期待を裏切れないというのはなかなかに重荷なのかもしれない。