人間らしい社会研究所は「人間らしさとは何か」という命題を探究しながら、ステークホルダーと協力しあい、より人間らしい社会を作ることを目指します。
人間らしい社会を目指すことは、地球環境の維持、暴力が暴発しない最後の一線を守ることであり、愚かで二面性がありながら心を持ち合わせている人類が、テクノロジーと共生しながら穏やかな営みを続けることができる道だと考えています。
人間は他者と繋がりながら、身体を基礎として、あそぶ存在である。
人間らしい社会とは人を幸福にするための一つの座標軸である。
【取り組む領域】
テーマ① コミュニティ/信頼 …高い信頼社会は人間らしい
人間らしく信頼し合える社会を作るにはどうしたらいいか。子供達だけで学校に行き学校から帰る。落とし物がきちんと持ち主のところに戻る。近くに住んでいる人と立ち話ができる。子供は私たちの子供として受け取られ、高齢者は私たちの祖父母として受け取られる。信頼によって社会の人間らしさは保たれている。
テーマ② インターフェース …直感的なシステムは人間らしい
テクノロジーは複雑に高度に進化したが、人間の認知能力には限界があり差も大きくある。新しく生まれたテクノロジーがリテラシーの差によって人を遠ざけるものでないほうがいい。そのためにはより直感的で、より包括的なテクノロジーの組み込み方が必要になる。直感的、非言語的(身体的)なテクノロジーは人間らしさを助ける。
テーマ③ 愚かさ/間違え …間違えることは人間らしい
人間は永遠に完成しない未成熟な生き物である。あの時は正しいと思っても覆されることはある。また間違いを頻繁に起こし、愚かなこともする。愚かであり間違いを起こすこと自体が人間らしさでもある。自らも完璧ではないと知り、許しあい、寛容でいようとすることは人間らしさを生み出す。
テーマ④ サイボーグ/テクノロジー
平均はこのようなものだという人間観が障害という概念を生み出す。平均や当たり前に縛られるのも人間であり、書き換えられた当たり前に容易に馴染んでいくのも人間である。身体や知性は環境の影響を受けながら、環境をも取り入れて新しく書き換えられていく。テクノロジーを自ら生み出し、それと協調し自らをも変えてしまうところに人間らしさがある。
テーマ⑤ 文化
他者との違いを見つけずに、私たちは私たちらしさを発見できるのだろうか。文化は元来似た存在である人類を文化ごとに分け、違いを引き立たせる。文化そのものに合理性はないが、文化そのものが私たちを私たちたらしめている。文化には時間が必要で、また違うものとの接触も必要になる。一見非合理に見える文化を愛するところに人間らしさは宿る。
テーマ⑥ 遊び
人間は遊ぶ生き物である。遊びとは不規則さであり、自発的な行為であり、好奇心から生まれるものでもある。つい変化を起こしたくなり、つい知りたくなってしまうのが人間である。遊びはせっかくの秩序を崩してしまうが、遊びが新たな展開を生み出す。あそびを面白がるところに人間らしさが宿る。